グリーンヒル鴨志田西団地 オフィシャルホームページ

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Cさんの西団地樹木紹介 第3回 「ヤマモモ マテバシイ ユズリハ」

 この時期、ヤマモモの赤い実が沢山実って、道路に落ちていますね。このヤマモモとマテバシイ、ユズリハは、共に団地内にたくさん見られる常緑樹です。いずれも厚めの葉が密に互生し、樹皮は滑らかですので、区別しにくいですね。今回はこれら3種の見分け方について説明してみます。先ずは基本情報ですが、

・ヤマモモ(山桃);ブナ目-ヤマモモ科-ヤマモモ属、雌雄異株、葉は密な互生

・マテバシイ(馬手葉椎);ブナ目-ブナ科-マテバシイ属、雌雄同株、螺旋状互生

・ユズリハ(譲葉);ユキノシタ目-ユズリハ科-ユズリハ属、雌雄異株、密な互生

 具体的な見分けは、木の立ち姿、樹皮の模様、種子の形状、葉の大きさ等の比較で可能になります。下図に示すように種子の形状がそれぞれ違いますので、これが最も確実です。実が無いときは、幹の模様の違いで見分けるのが良いと思います。その他、葉の最も大きな木がユズリハ、根元から幹が複数本立ち上がっていたらマテバシイと思って良いでしょう。

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 ヤマモモは雌雄異株のため、結実には雄株が必要ですが、雄株が団地内には何本もあるので雌株の結実性は高く、果実が沢山落ちて困る状況もあります。果実は甘酸っぱく生で食べられますし、ジャムや、梅酒ならぬヤマモモ酒にする話も良く聞きます。

  マテバシイの名は、葉がマテガイに似たシイノキであるという意味だそうです。公園や庭園、街路樹としても良く植えられています。また実はタンニンをあまり含まず渋みがないことから、食用としても古代から珍重され、クッキーの生地に混ぜた「縄文時代のクッキー」なども作られているようです。木質は堅く強い性質のため、農具の柄や器具材として用いられてきました。樹皮は染料の原材料となったり、シイタケ栽培の「ほだ木」や家の床柱として使われていたなど有用な樹木です。

  ユズリハの名は、新しい葉が古い葉と入れ替わるように出てくる性質から「親が子を育てて家が代々続いていく」ことを連想させる縁起木とされ、正月の鏡餅飾りや庭木に使われます。葉に含まれる水分が多いために燃えにくく、防火樹としても植えられています。 (7号棟S)