25号棟 Yさん
私達は日々ストレスにさらされている。仕事と家庭、人間関係、子育て、介護・・。私の日々の悩みでいうと、プレゼン準備が出来てない、仕事のプロスケが大幅に遅延している等々。以前は、胃が痛くなりながら、『ストレスをいかに軽減出来るか』それこそが健康に生きる為に必須なことだと私は思っていた。週末に公園や映画に行ってみたり、ストレス緩和グッズを買ってみたりと気分転換を試みたが、それは一時的な気晴らしにはなるものの根本的な解決にはならず、仕事の始まる月曜日が憂鬱なのは変わらなかった。
そんな私が、数年前にたまたま観たオンライン講演、TEDスピーチが私の考え方を大きく変えた。ケリー・マクゴニガル博士の「How to make stress your friend」である。彼女はスタンフォード大学の心理学者で「スタンフォードのストレスを力に変える教科書」というベストセラー本の著者である。これまで多くの人が信じていた「ストレス=悪者」というは思い込みで、ストレスは人に力を与えるものだと伝えてくれた。
彼女は、マインドセット(考え方)が体に強い影響を与えるという研究結果を発表している。
- ストレスは健康に悪いと考える人は、ストレスへの死亡リスクが高まる。
- ストレスは健康に悪いと考えない人は、死亡リスクは高まらない。
- 逆に、ストレスを感じながらも、ストレスには何らかのメリットがあると思っている人の方が、健康的で、幸せで、仕事でも良い結果を収めている。
スピーチでは、ストレスのマインドセットについて、ホルモンや疾病、様々な実験や調査を元に科学的にロジカルに説明していた。
確かに、これまでの自分の人生を振り返り、ストレスを伴った経験が全て自分にとってマイナスだったかと考えると、寧ろ自分を成長させてくれた経験、私の誇りに感じている挑戦と密接に関わっており、ストレスは自分に力を与えてくれたと思う。ストレスのない人生、それは理想的な人生なのではなくて、味気ない人生なのかも知れない。
私達の人生は、いつも全く思い通りにはならず、ストレスがあるのは普通のこと。ストレスを避け、軽減するのではなく、受け入れることで、人は賢く、強くなり、他者に思いやりを持てるようになるのだ。
スピーチの最後に、彼女は言う。
- 「ストレスには一人で立ち向かう必要はない。」
一人ではどうにもならないこともある。家族、友人、そして西団地のコミュニティー、互いに助け合って絆を作りながら乗り越えたい。ストレスは社会性も育むのだ。
是非、皆さんが時間のある時、またはストレスを感じたら、彼女のスピーチを聞き、著書を読んでみて欲しい。
さらに、語学に自信や興味がある方は、是非英語で原文のまま、彼女の魅力的なスピーチを聞いて観て欲しい。
絶対に勇気を貰えるから!
YouTube: How to make stress your friend | Kelly McGonigal