グリーンヒル鴨志田西団地 オフィシャルホームページ

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Cさんの西団地樹木紹介 第4回「コナラ クヌギ」

 コナラとクヌギは落葉高木の代表格で、15mを超える高木が西団地の法面に沢山生えています。 晩秋には黄色い葉やドングリを大量に落として季節の移り変わりを楽しませてくれる樹木です。共に深い縦溝の厚い樹皮を持ち、葉には鋸歯があり、木質は堅く、シイタケ栽培の原木として使われる等とても似ています。見分け方を知っているとちょっと鼻高ですが、実は結構簡単です。

 その前にちょっと解説。 コナラ、クヌギはブナ目ブナ科に属する落葉高木で、雌雄同株・異花です。秋のドングリは、大昔の人類にとっても大切な食料でしたし、今でも自然界の動物の餌として重要ですね。また幹から沁み出す樹液には、カブトムシやクワガタなどの甲虫類やチョウ、スズメバチなど、多くの昆虫が集まります。今、“ナラ枯れ”が問題なっていますが、幹の中に入って木を枯らすような昆虫は全くご免こうむりたいですね。

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 材質は硬く、建築材や器具材、家具材、車両、船舶に使われます。また、燃やすと火持ちが良いので、薪や炭に適しており、以前は農家の大切な副収入ともなりました。 

 椎茸栽培の榾木(ほだぎ)としても用いられますが、これは、多くの菌類と共生し、菌根を作る性質の故で、幹が菌類を受け入れやすいからです。落葉は集められて腐らせ、腐葉土として作物の肥料に利用されます。農家にとって畑の土質の維持にも欠かせない樹木でした。

 伐採しても切り株から萌芽枝が生えてきて、15年程度で薪や炭に適した太さになるまで再生する能力があります(萌芽更新)。このため、コナラ/クヌギの雑木林は、伐採と再生を繰り返すことで、持続的な利用が可能な里山の二次林として、長年にわたって維持されてきました。 西団地法面の、伸び過ぎて危険となったコナラ/クヌギ類を萌芽更新で持続的に保とうという提案も、この性質を利用したものです。

 要するに、コナラ/クヌギ類は、菌類、昆虫、動物、人間の生活等と深く関係し、自然の循環の中で、実に有用な働きをしてきた樹木なのです。

 

 さてコナラとクヌギの見分け方ですが、下の表をご覧下さい。

・ まず、樹皮の状態の違いです。縦に深い割れ目が不規則に生じるのは共通ですが、コナラは樹皮が硬めで平らな部分が多いのに比べ、クヌギはコルク状でやや厚めで軟らかいという特徴が有ります。

・ 葉の形状も見分けに役立ちます。縁が鋸状なのは共通ですが、葉の先端方向が幅広なのがコナラ、細長い船型がクヌギです。結構簡単です。

・ そして、最も簡単なのはドングリの形状比較です。コナラの実は一般的な細長いドングリの形そのものですが、クヌギの実は球形で下半分の殻に細くて反り返った棘状の鱗片が付いています。

  みなさんも見分けに挑戦してみてください。 (7号棟S)       

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