グリーンヒル鴨志田西団地 オフィシャルホームページ

このホームページは、行事の案内や報告を中心に、会員の方が楽しんだり役立ったりする情報を掲載し、皆さんの生活に潤いを与えるものにします。

Cさんの西団地樹木紹介 第5回 「ウルシ ハゼノキ ヌルデ」

  ウルシ科の植物にはウルシ、ハゼノキ、ヌルデ等があり、間違っても触りたくない植物ですが、西団地の周りでは、ハゼノキやヌルデをよく見かけます。2号棟~14号棟法面の下部、日体大側用水路には特に多く、夏休みに入ったお子さん達には十分に注意して貰う必要があります。

  ウルシ科の樹木に”かぶれる”のは、葉や幹、樹液等に含まれるウルシオールが原因です。直接触ることでアレルギー反応を起こし、痒みと炎症を引き起こしてしまい、かぶれるのです。間違って触れてしまった場合、① 触れた皮膚を直ちにぬるま湯と石鹸で洗う、② 着ていた衣服を全て洗う、③ 発疹をかかない、 ④ 水泡を破らない、⑤ かぶれがひどいときは医師に相談する等が必要です。この“かぶれ”の強さはウルシが最も強く、次がハゼノキ、ヌルデの順です。

 

 さて見分け方です。写真に葉の形状を示しますが、ムカデの足のように左右対称形で複数の葉が並び、頭に一枚の葉が付きます。これを奇数羽状複葉(キスウ ウジョウ フクヨウ)と言います。3種類に共通ですので覚えやすい形状です。

f:id:kn-shikajii:20210729081244j:plain

① ウルシ;3種の中では最も葉が広いのが特徴です。茎や葉柄(ヨウヘイ;葉の付け根の茎)は赤みがかっており、ハゼノキと類似の特徴です。紅葉はとても鮮やかです。西団地回りでは少ないのですが、2号棟下の法面で1本見付けました。 漆塗りなどとしてお椀、箸、工芸品、建物に使われてきました。縄文時代の遺跡からも出土しています。

② ハゼノキ;西団地回りでは最も多く、しかもかぶれやすいので、最も注意して欲しい樹木です。葉は細長く、少し厚めでしっかりしており、茎や葉柄の赤みがかった色と合わせると、ちょっと精悍な印象です。実が沢山付いていますが、この実から和ローソクの原料である木蝋(モクロウ;高融点の脂肪)が得られます。中学校の社会の教科書で習った記憶があります。同じく紅葉がきれいで、ハゼモミジは俳句の季語になっているとのことです。

③ ヌルデ; 葉柄に翼(よく)が付いているので直ぐ分かります。葉の色が少し灰色がかっているのも特徴です。ヌルデでは若い芽や葉柄がアブラムシにより刺激されてこぶ状に肥大化することがあり、これを五倍子(ごばいし)と言います。五倍子にはタンニンが多く含まれており、戦前にはスキンケア化粧品等に使われるタンニン酸の原料として西日本を中心に200tもの五倍子が生産されていたそうです。

 

奇数羽状複葉の他の植物としては、タラノキ、トネリコ、エンジュ、ニセアカシア等があります。また別の機会に説明致します。   (7号棟S)