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Oさんの写真で巡る世界の旅 第14回 フランス編 その6 南フランスの休日

 「コート・ダジュール」「エクス・アン・プロヴァンス」、どことなく旅情と高級感を漂わす(実際に高級なんだけれど)響きに誘われて、南フランスを旅した。毎年夏になると、多くのフランス人が、とりわけパリっ子の半数近くがヴァカンスで移動するという、地中海沿岸の高級リゾート地。

 華やかなコート・ダジュールと、素朴で美しいエクス・アン・プロヴァンス。今回は、多くの芸術家を育み、彼らに愛された4つの魅力的な南仏の街をご紹介します。真っ青な海が広がる【ニース】、海辺のリゾート国家【モナコ公国】、活気溢れる【マルセイユ】、画家セザンヌの故郷【エクス・アン・プロヴァンス】。南フランスの魅力が少しでも伝われば幸いです。輝きの南フランスへ、いざ出かけましょう!

 

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➀ コート・ダジュールの中心地で、フランス第5の都市ニース。地中海沿岸最大のリゾート地。まずは徒歩とエレベーターで地上90mの高台にある城跡公園に登った。展望台からの美しい海岸線と、橙色の屋根が連なるニースの街並みを一望。昔から「天使の湾」「紺碧海岸」「太陽の散歩道」「リビエラの女王」などと呼ばれているのも頷ける。

 

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➁ 夜の「マセナ広場」。ニースの中心にあり、広場の真ん中をトラムが走る交通の要衝でもある。世界三大カーニバルのひとつ「ニースのカーニバル」が、毎年2月にこの広場を中心に盛大に繰り広げられる。因みに残りの二大カーニバルとは「リオのカーニバル」と「京都祇園祭」だと私は思っている。(諸説あり)

 

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③ 翌日、バスでニースからモナコに向かった。途中、中世の街並みが残るエズ村で下車。エズ村は別名「鷹の巣村」とも呼ばれ、中世に異教徒からの攻撃を防ぐため岩山や丘の中腹に築かれたという。確かにここの地形なら、鷹も安心して巣を造るだろう。地上429mの山頂付近から撮影したこの一枚が、その歴史を物語っている。リビエラ海岸の紺碧の海とフランス国旗が眩しかった。

 

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④ モナコ公国。独立国家ながら、わずか1.95㎢と皇居の2倍ほどしかない小さな国。だが、1860年代にカジノや高級ホテルが完成して以来、世界の王族貴族や富裕階級に注目される高級リゾートとなった。モナコの中心にあるのがこの『グラン・カジノ』。パリのオペラ座を手がけたガルニエの設計によるとか。

 

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⑤ その内部がこの一枚。本来、カジノ内部の撮影は厳禁だが、そこは何でもお金で解決できる世界。正に贅を尽くした大人の社交場、ゴージャスな大人の遊び場。世界のセレブが集う豪華絢爛たる雰囲気に圧倒された。私には居心地が悪かったが、同行した娘は終日入り浸っていた。勝負の結果は聞いていない。

 

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⑥ モナコ大公一家が暮らす華麗な『大公宮殿』。ルネサンス様式の宮殿で、現在も王宮として使われているらしい。正面から撮影しようとした途端、赤いドット柄のワンピースを着た女性が私の前に割り込んできた。その瞬間、かつてここで暮らしていたグレース・ケリーの美しい横顔が脳裏をよぎった。

 

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⑦ 大公宮殿から少し歩いた高台から、モナコ湾のヨットハーバーと、そこに停留している豪華なヨット群を写真に収めた。世界最高峰の自動車レースF-1モナコ・グランプリもこの港からスタートするらしい。まさに世界中のセレブが集う小国のフォトジェニック・スポットだ。

 

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⑧ ニースから西へ向かってTGVで約3時間、フランス第2の都市マルセイユに到着。ここでの第一の目的は、名物のブイヤベースを食すこと。駅前の大階段を降りて旧港へ直行。海上貿易の拠点として地中海の恩恵を受け繁栄してきたこの旧港の魚市場には、毎朝、市民やプロのシェフ達が新鮮な魚を買い求めに来る。

 

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⑨ 時刻はちょうど12時過ぎ。海沿いの通りに並ぶ魚介レストランの中から、「ブイヤベースの一番美味しいお店」と、娘がスマホで検索。トップに表示された「La Mariniere(ラ・マリ二エール)」へ。最高の料理と景色を楽しんだ。ブイヤベースはインスタ映えしないので、代わりにパエリアの写真を。こちらも美味であった。

 

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⑩ おなかも満たされ旧港をそぞろ歩いていたら、巨大な鏡の天井の下に来た。その下にしばらく佇んでいると、目が回るような不思議な感覚に襲われた。昼間から飲んだ白ワインのせいだったかも知れない。有名な建築家が設計したらしいが、我々は次の目的地エクス・アン・プロヴァンスに向けて再びTGVに乗車。

 

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⑪ エクス・アン・プロヴァンスと言えば忘れられないのが、この地で生まれ、息を引き取った画家セザンヌ。郊外にあるセザンヌのアトリエまでバスで訪れた。アトリエ内部には、セザンヌがよく題材にしたリンゴやキューピット像などの静物が、昔のままに置かれていた。

 

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⑫ アトリエを出ようとした途端、外は土砂降りの雨。雨が止むまでのひととき、アトリエの庭をそれとなく眺めていた。ここで生まれ、画家を目指して一度はパリへ移るが、挫折して再びこの地に戻り、多くの作品を残したセザンヌ。彼の思い出を、雨の庭が静かに語りかけてくるようだった。これもまた旅の楽しみ。

 

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⑬ 雨上がりのプラタナスの並木に沿って、緑あふれる美しい街をしばらく歩いた。街のメインストリート、ミラボー通りの一角にあった1792年創業のカフェ『レ・ドゥー・ギャルソン』で一休み。セザンヌが学生時代、友人のエミール・ゾラとここで時間を忘れて語り合っていたという。目の前を高級ブランドを上品に着こなしたご婦人が通り過ぎた。いい街だ。

 

 

4号棟Yさんが地図を作って下さいました。